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三重県ゴルフ連盟

事務局だより

◆3eの日◆コラム/ゴルフ新リーグ「TGL」は別次元。楽しくて面白い。

2025/02/03(Mon) 18:11:31

[コラム] ゴルフ新リーグ「TGL」は別次元。楽しくて面白い。

2025年1月7日に開幕し、これまでに4試合を終えた「TGL」をネット配信で観戦した。バーチャルとリアルの融合と謳われたゴルフは、自然の光や風を感じながらプレーするゴルフとは全く異なっていて、エンターテイメント性がとても強い。ゴルフ場での観戦はどこかの組について歩くか、一つのホールで定点観戦かになってしまうが、巨大スタジアムで選手たちが繰り広げるプレー全てを観客は座ったまま見ることができ、応援もし放題、音楽は常に流れている。1500人収容のスタンドは常に満席だった。2時間ほどで終了する試合だから、通常のゴルフに比べたら、あっという間に終わっちゃう感覚だけど、それがとても楽しく面白く、新しいゴルフスタイルの幕開けだなあと感じた。

巨大スタジアムで繰り広げられる


全く新しいゴルフスタイル。


タイガーウッズとロリーマキロイが発案して生まれたTGLはTech-Rich Golf Leagueの略で、先進テクノロジーを駆使したバーチャルとリアルを組み合わせた全く新しいゴルフスタイルだ。アメリカフロリダ州のパームビーチ州立大学内に建てられたTGL専用のスタジアム、Sofiセンターが舞台で、大きなスクリーンに向かって打つシミュレーションゴルフと、50ヤード以内のアプローチ、バンカー、パッティングをリアルにプレーするグリーンゾーンが設置されている。
シミュレーションゴルフを体験したことがある方はきっと感じていると思うが、コースを選んでショットしていくのは良いが、パッティングの距離感とかが今ひとつしっくりこない。だから、グリーン周りはリアルにしようというアイディアは流石だし納得できる。そして、そのグリーン周りの下には自由に可変する装置が組み込まれていて最新テクノロジーによってホールごとに形状もピン位置も変えるのだ。ただシミュレーションのショットは本物の芝からだが、グリーン周りは人工芝なので、卓越した技術のPGAプロたちにも慣れが必要のようだった。

賞金総額34億円。今年3月末に、 6チーム対抗戦のシーズン1の優勝クラブが決定する。

競技はPGAのトッププレーヤー24人が6チームに分かれている。タイガー率いるジュピターリンクス、マキロイ率いるボストンコモンズをはじめ6チームそれぞれにスター選手が顔を揃えているし、各チームにはオーナーがいるクラブ制なのもスケールの大きさを感じた。ちなみに松山英樹選手はボストンコモンズのメンバーだ。



 
各チーム4人のうちの3人が週1ペースで行われる競技に参加する。1試合は2チームによるマッチプレー形式で、最初の9ホールは「トリプルス」で1人ずつ順番に打つオルタネート方式、10番から15番までは「シングルス」でマンツーマン方式で戦う。ホールはあらかじめ作られたホールの中から、毎試合セレクトされているが、実際にはありえないような三角形のフェアウェイや断崖絶壁のレイアウト、700ヤード超のホールなどユニークそのもの。
ルールも通常とは少し異なる。それぞれのショットは1打40秒以内というショットクロックを採用していて、オーバーするとペナルティを課すため、特にパッティングは日頃時間をかけてラインを読む選手たちには大変そう。また、選手たちは皆マイクを装着しているので戦略を練ったりする話し声が会場にも流れ、それも愉快な演出だ。さらに、”ハンマー”という独特のルールは、ちょっとしたギャンブル性もあり、勝敗を左右するゲーム要素を強くしている。試合を見ていて思うのは、選手は真剣なプレーながら、とても楽しそうで、観客と近くて一体感がある感じだった。
総当たりで試合を重ねていき、3月中旬に上位4チームがポストシーズンに進出、3月24、25日が決勝シリーズの予定となっている。賞金総額も34億円、TGLのホームページでは「応援したいチームを見つけよう」とあり、チーム戦ならではの応援合戦も今後盛んになりそうだ。

これからどう発展するだろう。 日本にもこの設備はできるのだろうか。

ゴルフは時間がかかる、遠くまで行かなくちゃできない、雨が降ったらやだな、そんな思いはここにはない。プレーする方も見る方も全天候のスタジアムならいつだって快適だ。
登場の仕方もいまどきのVリーグやBリーグ同様、一人ずつ華やかに紹介されて出てきて、一旦始まれば2時間ほどで競技は終了するのだから、テレビの前でも座っていられる。
始まったばかりのTGLがこれからどんな展開を見せるのか。ルールも徐々に変化していくのではないかと思われるし、今はアメリカの1箇所しかない施設も世界中に広がっていくのかどうか。4試合が終わった時点では世界150ヵ国で視聴されているとのことだった。日本でもシミュレーションゴルフは徐々に浸透してきており、気軽に楽しめるゴルフとして若者たちにも受け入れられている。ゲーム世代とも言える若者に「ゴルフ、やってみようかな」と思わせる入り口として、TGLの魅力は絶大だろう。とはいえ、大自然の中でゆったりと時間をかけて楽しむゴルフの魅力が消えることはないし、プロもアマチュアもゴルフ界がますます盛んになることを願っている。


※写真はすべて「TGL TMRW」より。