第45回三重県オープンゴルフ選手権競技
2024年5月30日(木)・31日(金)
会場/伊勢カントリークラブ 1R:6975yd、2R:6989yd Par72
参加人数/160名 (アマ98名・うち欠場4名、プロ62名・うち欠場2名)
天候/1R 晴れのち曇り、2R 曇り時々雨
発多ヤマト選手(フリー)が通算9アンダーで初優勝
ローアマチュアは、橋本拓英選手(三重高)が2年ぶり2度目
今年度の三重県オープンゴルフ選手権競技は、ギャラリーも多く来場し、賑やかな大会となった。会場は、名匠・井上誠一氏の傑作と知られる伊勢カントリークラブ。戦略性の高いレイアウトや砲台グリーンなど手強い難関コースである。三重県オープンは三重県ゴルフ連盟主催競技の中で最も大きなイベントであり、1979年の三鈴CC大会以来、今年で第45回を数える長寿競技だ。今大会のアマチュア予選には300人を超える参加者があり、コロナ改善の活気を取り戻しつつある。
そして、今年の大会では、MGA主催競技では初めてとなる2部制のスタートを採用した。予選ラウンドで、午前組は7時から、午後組は11時30分からのティーオフで、選手たちがハーフターンの際にスムーズに折り返せるようにという配慮のもとだった。その結果、選手たちからは「流れが良かった」と概ね高評価だった。一方、初日の競技終了時間は18時を過ぎ、大会を支える運営関係者には長い1日となった。
また、地元の三重テレビ放送55周年を記念して、31日14時から決勝の模様を実況生中継した。表彰式でも三重テレビの中久木アナが発多プロ、ローアマの橋本選手、谷川MGA会長へのインタビューを行った。
初日リーダーは4アンダー68をマークした2人。
発多ヤマト選手(フリー)と小野田享也選手(浜名湖)。
青空から徐々に雲が広がった初日の予選ラウンド。首位に立ったのは、発多ヤマト選手(フリー)と小野田享也選手(浜名湖)の2人で、4アンダー68をマークした。1打差の69に、小畑拓威選手(榊原)、鈴木滉世選手(豊田)、竹内優騎選手(青山高原)の3人、さらに1打差の70に森雄貴選手(グレイスヒルズ)が続いている。昨年チャンピオンの原田大介選手(スタートアップスポーツ協会)は1アンダー71で初日を終えた。アマチュアは、三重高3年の橋本拓英選手がイーブンパー72でトップに立った。
前半30のビッグスコアで一気に独走。
発多ヤマト選手が2位に4打差をつけ、初優勝。
時折雨がぱらついた2日目の決勝ラウンドには、85ストロークまでのプロとアマ120人が進出した。
今大会では9番H、13番H、14番Hで初日と決勝でティーマークが変更された。右ドッグレッグの13番H (345ヤード)ではティーが前に出されたため、ワンオンを狙ってドライバーを握る選手がいたが、ワンオン成功は残念ながらいなかった。
4アンダー首位の
発多ヤマト選手(フリー)と
小野田享也選手(浜名湖)、3アンダーの
竹内優騎選手(青山高原)の3人が最終組でスタート。イーブンパーまでに14人が続き、伸ばせば誰にでもチャンスがある状況だったが、
発多選手が前半で6バーディ・ノーボギーというビッグスコアをマークし通算10アンダーに伸ばしたことで、試合を決定づけた形となった。折り返し時点で、通算6アンダーまで伸ばした
小畑拓威選手(榊原)や後半に伸ばし通算7アンダーまで迫った
森雄貴選手(グレイスヒルズ)も最後に失速。最終組で首位スタートした
小野田選手が粘りを見せて単独2位に入った。
発多選手は後半に伸ばすことができず、伊勢CCのコースレコード更新は叶わなかったものの、通算9アンダーで堂々の初優勝の栄冠と、賞金300万円、たくさんの副賞を手にした。
アマチュアの部は、初日トップの橋本拓英選手(三重高)がスコアを伸ばし、通算3アンダーで2年ぶり2度目のローアマチュアに輝いた。
<表彰>
総合の部
優勝 発多ヤマト(フリー) 135=68、67(30、37)
アマチュアの部
優勝 橋本拓英(三重高) 141=72、69(34、35)
2位 阿部謙成(名古屋市) 144=74、70(36、34)
3位 石垣敢大(中京大) 144=73、71(38、33)
※順位はマッチングスコアカード方式により決定された
⚫︎賞金総額 1000万円、優勝賞金 300万円
⚫︎副賞 ダイソン製品3点(三重県ゴルフ連盟)
松坂肉10kg(JA三重信連)
三重さくらポーク10kg(三重畜産(有))
宿泊券(清少納言)
⚫︎ホールインワン賞(最終日)
9番H(30万円/三重県ゴルフ連盟(複数均等割)
17番H(100万円/(株)アプラス(複数均等割)
⚫︎イーグル賞(最終日)
18番H 20万円/伊勢CCコース委員長(複数均等割)
⚫︎コースレコード賞(伊勢CC)
⚫︎アマチュア賞
コスモ石油(株)、(株)赤福、ココパリゾートクラブ、大塚製薬(株)、キャスコ、
(株)ダンロップスポーツスポーツマーケティング、ブリヂストンスポーツ(株)
<インタビュー>
総合の部
「三重県オープン優勝は小さい頃からの夢」
優勝
発多ヤマト選手(フリー) 135=68、67(30、37)初日の4アンダーから、一気に前半だけで6バーディで10アンダーまで伸ばした。その内容も圧巻だった。まず2番H(406ヤード、パー4)でピン手前から4メートルを沈め、続く3番 H(526ヤード、パー5)で手前に2オンさせ、イーグルパットはフックして1メートル転がってしまったが、きっちり返しを入れた。5番H(179ヤード、パー3)ではピン右から5メートル、6番H(510ヤード、パー5)は1メートル、7番H(393ヤード、パー4)はピン奥から1.5メートル、8番H(393ヤード、パー4)はフェアウェイからピン左1.2メートルにビタっとつけた。前半はフェアウェイを一度も外さず、果敢にピンを攻めた。バーディパットが決まるたびに、ついて歩いた応援団から大きな拍手と掛け声がかかり、発多選手もより一層集中力を増していったようだった。
「後半も伸ばせるように頑張ります!!」と意気込んで後半に臨んだ発多選手は、11番H
(562ヤード、パー5)もピン奥4メートルを沈めて、ついに通算11アンダーとする。しかし、12番Hパー4と15番Hパー4でボギーとして67でフィニッシュした。
「昨日、今日とショットが良くて、いいところにつけられた。後半も攻めるけど、無駄な攻めはしないようにと思ってました。このコースは本当に難しいので、ボギーがすぐに出るし、それで流れが悪くならないようパーキープを意識しました。前半は出来過ぎでしたね」と発多選手は振り返った。優勝インタビューでは、「津市の出身なので、この舞台で勝つことは小さい頃からの夢でした。勝てて幸せです。去年は岐阜オープンクラシックで優勝し、今日は三重県オープン、次は7月にある中部オープンで勝てるよう頑張ります!!」と笑顔で語った。
小学生からゴルフを覚え、三重県ジュニアで優勝もある。三重高から東北福祉大へ。大学では金谷拓実(プロ)の1年後輩で、金谷がアマで中日クラウンズに出場した際にはキャディーを務めた。当時はプロキャディーという仕事も視野に入っていたが徐々にプロで活躍したいと思うようになったと言う。そして、プロテストに合格した際に今後のことを考えて、本名の八太大和から登録名を発多ヤマトに変更した。ZARDや B’zを手がけた音楽プロデューサーの長戸大幸氏が名付け親で名前とビジュアルが大事とのことだが、2年前には見事に岐阜オープンクラシックで優勝を果たし、今年は、CBCチャレンジで優勝し、中日クラウンズに出場した。OTランキング152位。1999年生まれの25歳。
アマチュアの部
「サイコーです。今日はパットが入りました」
ローアマチュア
橋本拓英選手(三重高3年) 141=72、69(34、35)「サイコーです」と、表彰式のインタビューの第一声を発した橋本選手。「ショットの調子は2日間とも良かったです。昨日はパットが入らなかったけれど、今日はパットがよく入ってくれました」と振り返った内容は5バーディ、2ボギーだった。「ローアマがまた獲れて嬉しいです。発多選手は三重高の先輩ですし、僕も来年は大学へ、そして世界で活躍できるプロ、世界一を目指したい」と大きな抱負を語った。
2位 阿部謙成(名古屋市) 144=74、70(36、34) 3位 石垣敢大(中京大) 144=73、71(38、33) リーダーボードがハウス前やコース内に設置された。
2R目の後半組にスコアラーと成績ボードが帯同した。
「もうすぐ1年になります」伊勢カントリークラブにインターンシップとして働いていた
インドネシアからの留学生たち。彼女たちは、インドネシアの大学生で日本語を学んでいる。伊勢に来てもうすぐ1年ということで、日本語は不自由なく使えていた。「留学が終わって、大学に戻ったら、もう一つ上の日本語検定を受けます。日本語の教師になりたいと思っています」と彼女たち。三重県オープンではフォアキャディーを務めていた。